匠ブログ

隠蔽配管のお勧め

仕事柄、海外の建築家と会話する機会が多いのですが、

「なぜ日本の建築は、露出配管なのか?」

と質問されることがしばしばあります。
露出配管とは、建物の外壁に沿ってエアコン等の配管を、文字どおり露出した状態で設置することです。

これに対し、配管部分を壁の内部に隠して設置することを隠蔽配管といいます。海外でも、あとからインフラが整備されたために、既存建築物では露出配管をせざるを得ないケースもありますが、新築では自由に設計できるので、わざわざ目障りで醜悪な配管類を人目にさらすようなことなどありません。

house

しかしこの日本では、新築でさえもいまだに露出配管が当然のような状況です(事例1)。
私は、こういった設計を見るたびに設計者の怠慢さを強く感じます。一体何のために設計を行なっているか?と問いたい衝動に強く駆られます。こういった無神経な設計が、日本の景観を醜いだけではなく、非常に貧相なものにしていることに気がつかないのでしょうか(事例2)。

haikan31 haikan41

特にエアコンの露出配管では酷いものが多く見られます。窓をよけるためにカクカク屈曲してようやく室外機に辿り着いた様子が外壁にしっかりと暴露されていたり(事例3)、酷い場合にはファサード(建物の正面)であるにもかかわらず、複数の部屋からでてきた配管が一斉に何本も外壁の上を這いずり回っていたり・・・(事例4)。

haikan51 haikan61

折角新築するのですから配管経路も最初から設計に盛り込んでおくべきです。清潔ですっきりとした外観の建物は、それ自体の資産価値を高めるだけでなく、周辺環境を美化することにつながり、地域の資産価値向上にも寄与します。
隠蔽配管は、街を美しくする大切なファクターなのです。


デザイナー 小野清一郎 2012年4月1日 デザインについて一覧

輸入住宅のことならV.D.H.にお任せください。

設計にお困りの方もV.D.H.におまかせください。