匠ブログ
扉の組合せ
扉には開き方により大きく分けて、『開き戸』と『引き戸』の2種類があります。
開き戸は、外開きか内開きか、取手が右にあるか左にあるかで、合計4通りの選択肢があります。
特殊な例を除き引き戸の方も、扉が外側にあるか内側にあるか、右に開くか左に開くかで、やはり合計4通りの選択肢があります。
つまり扉1か所につき合計8通りの選択肢があり、仮に1軒の家で玄関や勝手口を含め10か所の扉を使用す るならば、8の10乗=1,073,741,824と、なんと10億通り以上の組合せが考えられます。理論値とはいえ、そのバリエーションの多さは驚嘆に 値します。この10億通りの中から家族構成、生活習慣、動線の効率などなど、様々な要因を検討して、最適と思われるたった1つのパターンを選択しなければ なりません。まさに設計者のセンスと知識と経験が問われる、とても責任重大な作業といえます。
扉1枚でも、何気なく配置するのではなく、『意匠・機能・性能』をとことん追求した選択が要求されるのです。
デザイナー 小野清一郎 2012年7月1日 デザインについて一覧