匠ブログ

間取り

前回は、天井高が部屋の広さ感に及ぼす影響について述べましたが、部屋の面積自体も大切なのはいうまでもありません。アメリカのように土地が広く、建坪や延べ床面積に余裕があるわけではないので、狭小な立地条件でも、いかに各部屋を広く取れるかは大きな課題です。

そこで、家のイメージを想像する際に、最初によく考えていただきたいことがあります。それは、

我が家にとって、本当にこれだけの部屋数が必要だろうか?

という命題です。

同じ延べ床面積では、部屋数が少ない程、各部屋の面積はゆったりと設計できるので、あれもこれもと希望せず、本当に必要な部屋だけに絞り込むことが肝心です。特に、子供部屋と客間に検討の余地があるケースが多い気がします。

「折角の新築だから、子供達にはそれぞれの個室を与えよう。」という親心はよく解るのですが、お子さん達は、兄弟で1つの 部屋でも案外楽しそうに暮らし、のびのびと育っていくものです。そして、高校を卒業したあたりから、自立し巣立っていくこともあるでしょう。子供達が皆巣 立ってしまい、夫婦二人で生活している世帯を、英語ではEmpty Nesters(エンプティ・ネスターズ:空っぽの巣に住む人々)と呼びます。将来、エンプティ・ネスターズになることも想定してプランしてみると、複数 の子供部屋を共用化して部屋数を減らし、その分それぞれの部屋を広々と利用できるようになります。

客間にしても、日本家屋では来客の応接と宿泊用に用意されたりすることがありますが、欧米では、年に数回の利用のために部 屋を一つ用意しておくような、空間の無駄遣いはしません。海外のドラマなどで、居間のソファベッドで偶然の来客に対応しているのを目にしたことはありませ んか。また、巣立った子供の部屋に来客を泊まらせ、家具ごと一式利用させることもよくある光景です。

是非、「マイナス1部屋」を御一考ください。


デザイナー 小野清一郎 2012年10月1日 デザインについて一覧

輸入住宅のことならV.D.H.にお任せください。

設計にお困りの方もV.D.H.におまかせください。