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買付けツアーのその後2
横浜市泉区の歯科医院新築物件につき、今月は設計についてお話ししたいと思います。
この土地に対して他の設計事務所から提示されたのが次の図面です。
歯科医療用の診療台が3台描かれていますが、お施主様の御希望は4台とのことでした。
また、駐車台数が、患者さん用に普通車3台と小型車1台、スタッフさん用に普通車1台と小型車1台、そして駐輪スペースという設計でしたが、お施主様の希望は、患者さん用に普通車用のスペースを4台とスタッフさん用に小型車用でもよいので3台分を確保して欲しいというものでした。
結局、この設計事務所とは相性が合わず、弊社に御依頼されることとなりました。が、それにしてもこの設計にはデザイナーの私も閉口いたしました。動線とは呼べない代物の複雑で使い勝手の悪そうな部屋割り、醜悪なエンバイロメント(外壁周囲の形状)、土地形状の活用度が著しく低い建物配置などなど、およそ「設計」と呼ぶにはお粗末過ぎるものだからです。醜悪な設計にお悩みのお施主様とこれまで多数お目にかかってきましたが、これほどまでに酷い設計は本当に久方ぶりでした。これでも地元では名の知れた設計事務所さんのお仕事ですので、本当に悲しくなりました。
結局私は、ゾーニングからゼロベースで徹底的にやり直し、次のようなプランを提示させていただきました。内部の設計はまだ公開いたしませんが、診療台を4台収めることに成功いたしましたし、駐車台数も患者さん用に普通乗用車5台分、スタッフさん用に普通乗用車3台分、そして駐輪スペースも当然確保し、お施主様の御希望以上の台数確保を図りました。
また肝心のデザインですが、御覧のとおりエンバイロメントはシンプルな主棟を中心とし、オクタゴニアルタワーの袖棟をアクセントで接続させるビクトリアンスタイルを導入いたしました。このタワーの形状により今回の最大の問題だった土地の異形性を干渉することを意図しました。結果として、このようにスペース有効性を格段に向上させることに成功いたしました。
いよいよ来月から着工の様子をお伝えしていく予定です。
デザイナー 小野清一郎 2017年2月1日 リノベーションについて一覧