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買付けツアーのその後 5
今月は基礎を打設する様子を紹介いたします。先月、底盤の様子は紹介していますので、今月は立ち上がりの部分の打設をお示しします。
まずは型枠を組み立てた様子です。
その後、生コンを流し込んで打設します。英語ではこの工程をキャスト(cast)と表現されますが、流体状の原材料を型の中へ流し込む作業は一様にこう呼ばれます。金属加工の「鋳造」も「キャスト」と呼ばれますが、私が最初にこの言葉を知ったのは小学生の頃で、マジンガーZの玩具である「超合金シリーズ」がデビューした際に、「ダイキャスト製」という宣伝文句を耳にした時でした。ダイキャストとは、キャスト時に人為的に加圧をすることで、型の再現精度を高める手法のことだそうです。
そもそもキャストとは「投げ入れる」とか「放り込む」といった意味だそうで、マジンガーZを卒業した中学生の私が次にはまったのが「釣りキチ三平」でした。この漫画でもルアーフィッシングやフライフィッシングで疑似餌を漁場へ投げ込む動作を「キャスト」とか「キャスティング」と表現されていました。
その後、大学から社会人へと移行し、「鋳造のキャスト」や「コンクリート打設のキャスト」を仕事で常態的に扱うようにより、私の人生そのもののが「キャスト」界に放り込まれたような気がしている今日この頃です。
余談が長くなりましたが、こちらがキャスト後に型枠を撤去した様子です。
とうとう基礎が完成しました。
この上にこれから何十年という長い年月、お施主様とご家族、そしてスタッフの方々やここを利用される患者さんや地域の皆さんの生活の営みが展開されます。それを支える文字どおり「生活の基礎」であることに思いを馳せると、設計担当者としては毎度のことながら胸に込み上げてくるものがあります。
こちらが前面道路から眺めた様子です。
「どうかしっかり支えて欲しい。」と祈りを捧げて、現場を後にしました。来月から木工事の様子を紹介していきたいと思います。
デザイナー 小野清一郎 2017年5月1日 リノベーションについて一覧