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買付けツアーのその後 6
先月は基礎のお話をしましたので、今月は土台のお話です。
土台は、基礎と木造の構造体(建物本体)の間に介在する木材のことです。一般的には基礎のことを「土台」と呼称して比喩表現に利用されたりしますが、正しくは基礎に接する木材のことを指します。
基礎は、古くは石材でしたが現在は鉄筋コンクリート(RC)で構成されます。基礎は土中の水分と直接接しているため、木材より水に強い建材として石材やRCが採用されます。これらの建材は水に強いとはいっても若干の吸水性があり、絶えず水を含んでいる状態になります。そこに通常の木材を土台として緊結してしまうと、その木材はいずれ腐敗してしまいます。
そこで、土台に使う木材はヒノキ等の水に強い木材が採用され、さらに不朽性を高めるための薬剤がしっかり浸透加工された状態になっています。
では現場の様子を紹介いたしましょう。
まずは基礎の周囲から躯体を建造するための足場を設置します。
足場ができたら、いよいよ土台を設置します。その様子がこちらです。
先程、土台は湿った基礎と接するので耐水性の高い木材を使用するとお伝えしましたが、現在はさらに万全の湿気対策として基礎と土台の間に「基礎パッキン」と呼ばれるスリット状の樹脂材料を介在させます。
基礎パッキンが世に出るまでは基礎に床下の湿気対策用の通気口を設置していました。以前の家には次の画像のような小窓が基礎の周囲についていたのを御存知ですか。
さらに古い日本の古民家などでは「縁の下」と称し、石の基礎の上に床を浮くように貼り、床下は外部とツーツーの状態でした。床の高さをさらに上げたものが正倉院のような高床式建築ということになります。
日本の高温多湿な気候下にて、いかに地面からの湿気を逃し乾燥させるかが、家の耐久性には極めて重要です。そういった環境下での技術革新により、現在は基礎パッキン法が主流となりました。
とうとう土台の設置が完了しました。
来月からは躯体の工事に入ります。
デザイナー 小野清一郎 2017年6月1日 リノベーションについて一覧