匠ブログ

謹賀新年

新年、明けましておめでとうございます。令和2年、2020年の幕開けです。今年はなんといっても東京オリンピックの年であることが最大のニュースではないでしょうか。

建築デザイナーとして今回の東京オリンピックについて考えるとき、やはり新国立競技場のデザインに関する混迷に注目せずにはいられません。

最初のコンペを経て採用されたのは、、イギリス人デザイナーのザハ・ハディド氏の作品でした。

引用:www.jpnsport.go.jp

この作品の意匠は、極めて未来的でかつ有機的な曲線が特徴的なSF映画さながらの作品でした。ガウディの影響も感じられる興味深いものでしたが、やはり建築費が膨大すぎて現実的ではないことが判明しました。

その後、隈研吾氏の案が採用され、昨年、無事に竣工しました。

引用:https://www.sankei.com/photo/

こちらのデザインは、奇を衒ったこともなく、非常にシンプルで無難なものとなりました。ただ、この建築物にも興味深いスキャンダルが潜んでいました。それは、日本的なエッセンスをフィーチャーするために木材を多用したことが仇となり、オリンピックの象徴である聖火台が消防法上設置できないことが判明したのです。なんとも理解に苦しむ設計計画ですが、今後は聖火台がどこに設置されるのか、楽しみに待つしかありません。

さて、最初にデザインが採用されたザハ氏ですが、新しい国立競技場を見る機会を得ることもなく2016年にお亡くなりになりました。一旦は自分の案が採用されたにもかかわらず、その後却下され、結局採用された代案が聖火台を設置できない代物だったことについて、彼女は一体どんな印象を抱いていたのだろうか、私には興味がつきません。そんな別の視点からもオリンピックから目が離せない2020年になりそうです。みなさまにも幸多い年となることをお祈りしております。


デザイナー 小野清一郎 2020年1月1日 デザインについて一覧

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