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チャイナタウンの賃貸マンション 1
横浜市中区には日本有数の中華街(チャイナタウン)があります。そこでは御存知のとおり膨大な中華料理店が軒を連ね、通りを埋め尽くしています。これらの中華料理店は当然ながらビルの1階に入居していますが、2階より上は賃貸住宅として運用されていることが多いことはあまり知られていません。
今月はそんな賃貸マンションとして運用されているビルのオーナー様から依頼されたお仕事を紹介したいと思います。
依頼内容は、「ビルの竣工当時から入居されていた店子が転居したが、長年の使用により内装が非常に汚れてしまったので、綺麗にして欲しい」というものでした。このような要望であれば、単に量販品の壁紙を張り替えるだけなのでは、と思いましたが、事情はどうもそんな簡単な話ではなさそうです。
中華街は横浜市の中心部に位置し、賃貸物件としては非常に立地条件がよいのですが、あのひしめき合うビル群に大量の物件が存在するため、価格競争が激化してなかなか新規の店子が見つからない、というのです。そこで弊社に、「通常とは違う手法でのリノベーションを提案して欲しい。そして賃貸価格を下げずに店子が見つかるような付加価値を与えて欲しい」との要望だったのです
まずはいつものとおり、原状を紹介します。こちらは玄関扉周り。
玄関の土間はこちら。かなり床材はくたびれていますね。
玄関の壁と天井のクロスはこのような状態でした。
玄関と寝室、バスルーム、そして居間を結ぶ廊下がこちら。この物件は鉄筋コンクリート造特有のラーメンと呼ばれる梁が存在するのですが、この梁が通常よりも太くて大きいのがこの物件の特徴でした。壁紙を貼り替える際には注意が必要な部分として認識しておきました。
こちらは寝室です。
寝室のクローゼット 周りの様子がこちら。やはり巨大な梁が鎮座しています。
とにかくこの物件は巨大な梁が方々に存在し、クロスの貼り分けに注意を要する物件だということが判明しました。その証拠に竣工させたゼネコンは天井も壁も梁も全て同一のクロスを貼っていました。
来月は、メインの居間等の原状をお伝えします。
デザイナー 小野清一郎 2021年10月1日 リノベーションについて一覧