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タワーマンションのリノベーション事例 3
引き続きタワーマンションのケースを報告して参ります。
弊社は創業以来、天井高に拘って参りました。狭小な日本の住宅環境だからこそ、より高い天井高が必要だという信念のもとこれまでデザインしてきました。
マンションの場合、自由に天井高を決定することはできませんが、それでも天井の仕上げ材を撤去すると上階との境界であるスラブ(建物の骨格をなすコンクリート構造物)が露出します。このスラブそのものを天井の仕上げ面にすることを直天(じかてん)仕上げといい、私はマンションのリノベーションではよく採用しています。通常、天井とスラブの間にはさまざまな配管や配線など、いろいろなものが縦横無尽に配置されており、それらを隠すために天井の仕上げ材が貼られ、「見かけの天井」を構成しています。この空間の高さは通常30センチ程度確保されていることが多いので、例えば2.4mの天井高も直天仕上げにすることで2.7mまで拡大することができます。この場合の問題は、その空間に隠されていた配管・配線等をどう処理し、新たな照明器具などの配線をどう設置するかということに尽きます。
ところが、今回の事例ではさらに大きな問題として、フラットなスラブではなくピット構造という段違いのスラブだったことが判明しました。来月はこのピット構造についてお伝えいたします。
デザイナー 小野清一郎 2025年5月1日