匠ブログ
フィリピン・マニラでの視察事例
今月はいつもの施工事例の報告とは趣を変えて、デザイナーとして視察してきた面白い空間の店舗設計を紹介したいと思います。
物件はフィリピンのマニラです。ニノイ・アキノ国際空港側にニューポート・ワールド・リゾートというエリアがあります。この中に「The Whisky Library」というバーがあります。
このバーでは図書館のように書棚にウイスキーが収納されており、客のオーダーに応じて該当するウイスキーを書棚から取り出し、ワンショットずつ量り売りして元に戻す、といったサービスを行っています。
私が建築プロデュサーとしてこのバーの設計について注目した事が二点あります。一つ目は天井高くまで迫り上がった書棚です。
そして二つ目が、フロアから螺旋階段にてロフトへ誘われる垂直的な建築構造です。
ロフトを採用する場合、当然ながらメインフロアからかなりの高天井を展開し、大空間を拭き抜く必要があります。吹き抜けの天井については、その開放感が部屋の狭小感を払拭する効果があることは、以前の匠ブログでお示ししたとおりです。
そして、ロフトにはさらに大きな魅力があります。それは、そこからの眺望です。
ロフトに上がってメインフロアを見下ろすと、空間の垂直方向の展開を実感させる非常に面白い効果が感じられ、私は好んでよく採用いたします。
なぜ今月にこの事例を紹介したのかというと、実はつい最近、このバーとそっくりに似たコンセプトにて施工した経験があったからです。偶然の一致ですが、弊社での事例については来月から報告したいと思います。その布石として、今月は外国での実例を紹介したのでした。来月の匠ブログをお楽しみに。
デザイナー 小野清一郎 2025年10月1日 デザインについて一覧