リノベーションについて
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横浜市中区の賃貸アパートメント新築 11
横浜市中区新山下のアパートメント事例の最終章です。外構工事が始まりました。
2階への階段も設置が完了しました。
玄関周りも完了です。玄関ポーチにコンクリート平板を敷き詰めました。
玄関扉を開くと、あのホワイエへ通じます。
2階の玄関周りも完了です。
最後にファサードをもう一度。
今回は輸入建材を一切使用せず、全て国産の建材で対応いたしました。それでもアーリーアメリカンな雰囲気を醸し出せたのではないでしょうか。御高覧、有り難うございました。
デザイナー 小野清一郎 2025年2月1日
タワーマンションのリノベーション事例 1
今月から横浜市のみなとみらいを望むタワーマンションの一室へのリノベーション事例を報告したいと思います。まずは原状をお伝えします。2019年に販売された当時の状態のままでした。
こちらは玄関ホールで、向かって右側の扉が玄関扉です。正面の扉はヴァニティルーム、バスルーム、ユーティリティへの扉で、向かって左側の扉はウォークイン・シューズクロゼットへの扉となります。空間プロデューサー(デザイナー)としては、どうしても正面の扉の芯ずれ(中心がずれている状態のこと)が生理的に受け付けられませんでした。
こちらはリビングダイニングルームです。窓からの眺望が素敵です。タワーマンションの醍醐味ですね。
ベランダ(ラナイ)へ続く掃き出しサッシュの部分です。右側の壁は寝室①との間仕切壁ですが、そこに24時間換気のための換気装置(レジスター)が2個とエアコン用のダクトキャップが見えます。これらはマンションのリノベーションの場合に、非常にデザインの障害となるものです。いつも頭を悩ませる設備群です。
こちらはリビングの隣の寝室①の様子です。私のファースト・インプレッションは、この寝室①をリビングの一部に組み込み、寝室②をマスタースイートとしたプランにするアイデアでした。つまり2LDKを1LDKへ変更する案です。
そのためには、この間仕切壁を撤去することになります。
こちらはリビングの掃出しサッシュ部分からキッチン側を写したものです。向かって右側がキッチンエリアで、中央の扉が廊下への扉、向かって左側に二枚の扉が写っていますが、奥が寝室②への扉で、手前が寝室①への扉です。
そして最後にトイレの画像です。向かって左側の手洗いボウルが非常に小さて、使いづらいことと、タワーマンションの上層階というシチュエーションにしては、グレード感が低い仕様になっています。トイレはかなり高級にしたいという、お施主様の要望もあり、しっかり造り変えていきたいと思います。
今回はコストの削減のために、キッチンとヴァニティルーム、バスルーム、ユーティリティには一切手をつけず、各設備はそのまま既存のものを使用することとなりました。来月へ続きます。
デザイナー 小野清一郎 2025年3月1日
タワーマンションのリノベーション事例 2
タワーマンションの事例報告の続きです。今回のプロジェクトで最も予算を割いたのがトイレでした。そこで今一度、原状のトイレの画像を提示したいと思います。扉を開いた状態がこちらです。
トイレと手洗いのレイアウトは御覧のとおりです。
最も問題となったのが、この手洗いのボウルです。とにかく小さく、使用のたびに水ハネが酷い状態のものでした。日本のマンションではよく使われているものですが、弊社の基準からはあまりにも小さすぎる商品です。
こちらの画像は今回の物件とは別の新築マンションでの事例です。やはり同様の狭小なボウルを採用しています。
昔々(一部では今でも)、タンクの上に手洗いが付いているトイレが日本では標準的に使われていました。これは日本独特の商品で、海外では目にしません。
確かに手を洗った中水を便器の洗浄に使用することで水を有効利用するという非常に合理的な構造なのですが、高級感という尺度において劣ることは否めません。家族専用のトイレであれば採用も可能ですが、来客も使用するようなケースでは避けるべき仕様だと思います。そういった日本独特の文化の延長で、それよりはマシだろうという感覚なのでしょうか。ボウルがどんなに使いにくくてもタンク上の手洗いを排除し、便器と手洗いを強引に分離するで、このような設備がマンションで採用されることが多くなってきました。今回の事例ではこのような状況を打破する提案をさせていただきました。
それから弊社のこだわりでもある天井高についても、手を加えていくことになりましたが、こちらは想定以上に多くの問題が孕んでいることが判明しました。これらの問題については次号にてお伝えしたいと思います。
デザイナー 小野清一郎 2025年4月1日
タワーマンションのリノベーション事例 3
引き続きタワーマンションのケースを報告して参ります。
弊社は創業以来、天井高に拘って参りました。狭小な日本の住宅環境だからこそ、より高い天井高が必要だという信念のもとこれまでデザインしてきました。
マンションの場合、自由に天井高を決定することはできませんが、それでも天井の仕上げ材を撤去すると上階との境界であるスラブ(建物の骨格をなすコンクリート構造物)が露出します。このスラブそのものを天井の仕上げ面にすることを直天(じかてん)仕上げといい、私はマンションのリノベーションではよく採用しています。通常、天井とスラブの間にはさまざまな配管や配線など、いろいろなものが縦横無尽に配置されており、それらを隠すために天井の仕上げ材が貼られ、「見かけの天井」を構成しています。この空間の高さは通常30センチ程度確保されていることが多いので、例えば2.4mの天井高も直天仕上げにすることで2.7mまで拡大することができます。この場合の問題は、その空間に隠されていた配管・配線等をどう処理し、新たな照明器具などの配線をどう設置するかということに尽きます。
ところが、今回の事例ではさらに大きな問題として、フラットなスラブではなくピット構造という段違いのスラブだったことが判明しました。来月はこのピット構造についてお伝えいたします。
デザイナー 小野清一郎 2025年5月1日