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横浜市神奈川区のドルチェデンタルクリニック様 1
今月から新規の事例として、横浜市神奈川区のドルチェデンタルクリニック様の移転による新たなクリニック御開業の様子を報告させていただきます。
お施主様である院長先生は、現在の場所から移転をして新たに御開業なさるとのことで、現地には某大手建築会社による重量鉄骨造の3階建の建造物が建っていました。
現場は横浜市神奈川区上反町1−10−15、横浜駅から徒歩圏で、東急東横線の反町駅から徒歩数分という非常に利便性の高い閑静な住宅街の中でした。
周辺環境の特徴として、横浜駅から反町駅に至る「東横フラワー緑道」という緑と花に溢れる美しい遊歩道が整備されており、遊歩道全体が公園のような機能も兼ね備えています。
今回の現場となる物件は、この遊歩道と一般道との連絡口に面している非常に好都合な立地でした。古屋のリノベーションではありますが、現在は一般住宅なので、歯科医院としては新規の御開業になります。その点この現場は、東横フラワー緑道を往く人々の視線を集めやすい立地なので、弊社としてはアイキャッチ性を最大限に高め、患者様を呼び込めるようなデザインが要求されるものと判断いたしました。
来月は、当物件の内部の様子をお伝えします。
デザイナー 小野清一郎 2026年3月1日
横浜市神奈川区のドルチェデンタルクリニック様 2
先月から連載を開始した横浜市神奈川区のドルチェデンタルクリニック様を引き続き紹介いたします。
先月は購入された物件の外観を報告いたしましたが、今月は内装の様子を紹介いたします。まずは元々の間取りを表す平面図をお示しします。
ごくごく普通の一般住宅の間取りです。洋室は8番、9番、10番と3つ配置されているので、いわゆる3LDKということになります。
そして各室内の画像が次のとおりです。
極めてごくごく平凡な室内の様子です。これを歯科医院へ変貌させようというのが今回のミッションです。来月からの匠ブログをお楽しみに。
デザイナー 小野清一郎 2026年4月1日
横浜市神奈川区のドルチェデンタルクリニック様 3
横浜市神奈川区のドルチェデンタルクリニック様を引き続き紹介いたします。
先月、先々月で内外装の原状を紹介いたしましたが、課題を抽出してみましょう。まずは外構について確認してみたいと思います。
最初に違和感を感じるのがペイブメントやペイバーと呼ばれる舗装面です。原状では下の画像の中の赤い矢印で示したように、三種類の仕上げが導入されていました。左側はグレーとバーガンディのブリック型インターロッキングをヘリンボーンで貼り上げている仕様。真ん中から右側手前はグリーンの波型インターロッキングを馬踏で貼り上げている仕様。そして奥の駐車スペースではオレンジのカラーコンクリートを打設している仕様。
コーディネートは服飾の世界も建築の世界も同じだと私は考えています。今回のケースでは材料の形状が三種類、色調が三種類、そして仕上げ方が三種類と、まるで異質の組み合わせがまぜこぜに施工されています。私は常にテーマカラーと、できれば補色関係にある差し色の加え、合計二色をメイン色として採用します。それ以外の脇役は白、黒、グレーといったモノトーン系の配色とすることで全体としての色調のばらつきを抑えています。この時許容されるのは木目だけです。木目はステインやニスで仕上げ、いわゆるグレイン仕上げとする限りは色の数には含みません。不思議な現象なのですが、人間は生理的に木目を色とは認識しない習性があるものと理解しています。
次に外壁について確認したいと思います。2階の正面にある2つの窓枠に注目するとマットブラックの窓枠です。玄関アプローチの入り口にあるパーゴラもマットブラックです。それに対して外階段は柱とササラは緑に塗装されています。また画像ではわかりにくいのですが、パーゴラの奥の1階の外壁や駐車スペースの柱も緑に塗装されていました。この塗り分けについては前オーナーのセンスなので否定はしませんが、建物のファサードとしてはやや奇抜な感を否めません。
そしてもう一点、柱より外側に構造体が出っ張っている構造をカンチレバーと呼びます。次の画像で赤い矢印が示す梁部分がカンチレバーです。カンチレバーは現代建築ではよく導入される手法ですが、クラシックな建築では安定感を欠く設計として好まれません。今回この物件でも2階の全体がカンチレバーとして柱が支える部分から大きく迫り出し、頭でっかちな構造となっていました。当物件を購入された院長先生は、弊社のクラシック路線をお気に召されたとのことで、この辺りの意匠もクラシック化しなければならないところです。
以上、外部の課題をざっと拾ってみました。来月に続きますので、お楽しみに。
デザイナー 小野清一郎 2026年5月1日
横浜市神奈川区のドルチェデンタルクリニック様 4
横浜市神奈川区のドルチェデンタルクリニック様の事例を紹介しています。
問題の抽出が終わったところで、設計と解体を開始します。現場は解体工事に入りますが、その間に設計を詰めていくという現場とオフィスとの並行作業に入りました。
解体の様子を御覧いただきます。まずは室内の壁を撤去していきます。
天井を撤去してみると、天井裏には重量鉄骨造に特有のブレースと呼ばれる補強材が設置されていました。
ブレースだけでなく、構造の主役である鉄骨の梁もしっかり鎮座しています。
そして天井裏といえば定番の各種配線配管群ですが、当然ながら縦横に走り回っていました。
天井高は1ミリメートルでも高く採るのが、私の住空間に対するこだわりです。それについては以前のブログでもお伝えしました。今回の物件では、非常に条件が厳しいことが判明しまた。しかしながら、それでも可及的に天井高を上げる工夫を施していきたいと思います。
解体工事は順調に進んでいきました。来月に続きます。
デザイナー 小野清一郎 2026年6月1日
横浜市神奈川区のドルチェデンタルクリニック様 5
横浜市神奈川区のドルチェデンタルクリニック様の事例を紹介しています。
天井高は1ミリメートルでも高く採るのが、私の住空間に対するこだわりであるものの、今回の物件では天井裏の構造から非常に条件が厳しいことを前回の匠ブログでお伝えいたしました。そこで、天井を現状より上げられない以上は、床を少しでも下げて天井高を稼ぐ戦略へと切り替えました。
床を下げる戦略で採用する戦術にはいくつかありますが、今回の現場では既存の基礎をそのまま使用するため、基礎部分で下げることはできません。そこで採用したのが「根太レス工法」です。
根太レス工法について説明します。木造建築の構造を垂直方向に追ってみますと、まずは基礎があり、基礎の上には基礎パッキンという通気用のスペーサーが乗り、その上に土台が乗っています。土台だけでは土台同士の距離が遠すぎて床が張れないため、土台と同じ高さに大引(おおびき)という構造材が土台と土台を梯子状に結合するように接続されます。大引は床束(ゆかづか)という、基礎と同じ高さの下駄のような資材の上に乗る形で設置され、床下空間で宙に浮いています。
土台と大引は床を支える構造材で、通常はさらにその上に「根太(ねだ)」と呼ばれる、やはり梯子状の骨組み材が乗ります。
この根太による骨組みの上にさらに床の下地用合板を敷き詰め、床下地が完成することになります。
しかし根太レス工法ではこの根太による骨組みを排除し、構造用合板の床下地材を直接土台と大引に設置します。こうすることで工期の短縮と材料費の節約が達成しますが、副次的な効果として根太の高さ分、床位置を下げることが可能になります。私にとっては副次的な効果というよりも、本来の目的として採用する手法です。
実際の画像で比較してみましょう。左の画像はオリジナルの玄関の様子です。土間からサンダルが置いてある床まで、日本独特の文化である上り框分の高低差があります。
それに対し右側の画像が根太レス工法を応用し、既存の根太を撤去して土台に直接床下地を張り込んだ様子です。玄関の土間と床の高低差が縮まったのが御理解いただけますでしょうか。
こうして1センチでも天井高を高くする努力をすることで、快適な住空間を創造することが可能になります。来月に続きます。
デザイナー 小野清一郎 2026年7月1日
横浜市神奈川区のドルチェデンタルクリニック様 6
横浜市神奈川区のドルチェデンタルクリニック様の事例を紹介しています。今月は下地の進捗を紹介いたします。
床の下地が貼り上がりました。
天井の下地も貼り上がりました。天井を上げられなかったのは、本当に残念でしかたありません。
下地を組んでいく中、どうしても避けられない問題も発生いたしました。それがこのパイプです。このパイプは2階の排水を落とす配管で、解体前はパイプスペース(PS)と呼ばれる壁に覆われた小部屋で隠されていました。しかし今回のリノベーションでは、診療室に露出してしまうことが判明したのです。PSを新たに設置することは業務エリアの面積確保から不可能でした。そこで逆転の発想でデザインとして取り込むことにいたしました。仕上げは後のブログで紹介いたします。
今から14年前にこの匠ブログを始めた当初、第二話として「隠蔽配管のお勧め」という記事を執筆いたしました。私は常にエアコンについては、室内機、室外機、配管の全てを隠蔽する努力をしています。今回の現場でも当然ながらエアコンの隠蔽に努めました。こちらは待合室のエアコンを収納する天袋です。
ただ残念ながら、全てのエアコンを隠蔽することは叶いませんでした。そのことは後でお伝えしたいと思います。
そして各間仕切りの下地も組み上がり、石膏ボードも貼り上がりました。
さて、外部では前オーナーが使用していたこのような物置が残置されていました。
かなり大きな残置物で、処分するにはそれなりのコストがかかるということで、有効利用することにしました。画像は、堅固なコンクリート盤を施工し、その上に物置をしっかり固定した様子です。さて、何に利用するのでしょうか。答えをお楽しみに。
デザイナー 小野清一郎 2026年8月1日













































