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高層タワーマンションのリノベーション 1

早いもので今年ももう3月を迎えました。今月からは住居用マンションの1室をリノベーションさせていただいたケースを報告したいと思います。

現場は、東京都内の高層タワーマンションです。24階という高層階のお部屋でした。

窓からの眺めは、東京のビル群がパノラマのように展開し、これぞ大都会、というドラマのようなシチュエーションのお部屋でした。

そんな素敵なロケーションの物件なのですが、お施主様は竣工当初からの間取りがどうもお気に召さなかったようで、このたび弊社にリノベーションの御依頼をされました。

まずは、図面を入手し、コンサルテーションを行いました。


図面の左上が玄関で、そこから南へと廊下が続き、西側にトイレ、そして廊下の突き当たりのホールから寝室1とリビングへといった導線。そしてリビングの北側には寝室2、東側にキッチン、という、極々普通の2LDKでした。

お施主様の希望は、友人達を呼んで趣味の集まりやパーティーができるような大空間にして欲しい、というものでした。

了解しました。お安い御用です。ということで、来月は弊社からの提案を紹介します。


デザイナー 小野清一郎 2022年3月1日


高層タワーマンションのリノベーション 2

東京都内の高層タワーマンションの事例です。24階という高層階のお部屋でした。お施主様の希望は、友人達を呼んで趣味の集まりやパーティーができるような大空間にして欲しい、というものでした。

まずは取り寄せた図面からコンサルテーション用の図面を作り、お施主様とじっくり打ち合わせをしました。


コンサルテーションの結果、6.0畳の洋室と居間・食堂を間仕切る大壁を撤去することとしました。そのほか、洗面室へのアクセスが廊下を経由しなければならないので、和室を寝室としそのまま直接寝室からアクセスすることとしました。また洗面室にもプライベートのトイレを新設することとしました。


さあ、いよいよ来月から工事の様子をお届けします。


デザイナー 小野清一郎 2022年4月1日


高層タワーマンションのリノベーション 3

東京都内の高層タワーマンションの事例です。リノベーション・プランが決まったので、現場の確認をしてみました。

当然のことですが、日本の住宅は直接照明が主流といった文化ですので、どこのマンションも天井に照明器具を接続するローゼットやブラケットが標準装備しています。こちらは、原状の居間のものです。


そしてこちらが、原状の寝室のものです。今回は居間と寝室の間仕切り壁を撤去し、大きなパーティルームを作りますので、照明を移設しなければなりません。


シックハウス症候群の問題が露呈してから、24時間換気が標準的に採用されています。これらの流通経路も確保した上で工事をしなければなりません。


それから、コンセント類も移設をしますが、機能を全て把握しなければなりません。


こういった細かい部材のオリジナル位置と役割を全て調べた上で、再度、プランに問題がないかを確認していくことになります。


デザイナー 小野清一郎 2022年5月1日


高層タワーマンションのリノベーション 4

東京都内の高層タワーマンションの続きです。いよいよ変更箇所の解体を開始しました。

玄関からの廊下の動線はそのままにしますが、突き当たりの寝室との間仕切り壁は撤去しました。


寝室と居間の間仕切り壁も撤去しました。これでパーティー用の大空間を作るつもりです。


天井が低いので直天(じかてん)にして高くしました。


すると、ご覧のとおりの大空間が生まれました。


居間と奥の寝室との間仕切り壁も撤去しました。


従来は玄関側の廊下からバスルームにアクセスする動線だったのですが、非常に好ましくないので、寝室と一体化させることとしました。バスルームも全て解体撤去します。


最終的には巨大な空間が発生しました。


さあ、いよいよ新しいゾーニングに基づく間仕切り壁の新設です。来月に続きます。


デザイナー 小野清一郎 2022年6月1日


高層タワーマンションのリノベーション 5

東京都内の高層タワーマンションの続きです。ほぼスケルトンの状態にしてから、新たな間仕切り壁の骨組みを作っていきます。

まずはいつもながら、作業場を室内に確保します。


こちらは、寝室の一番奥に新設したクローゼットと洗濯機用ユーティリティのスペースです。今回の大きな動線変更として、それまでバスルームまで廊下を経由しなければならなかったのを、寝室からダイレクトにアクセスできるにします。それに伴いユーティリティの移動をしなければならないので、クローゼットに隣接させて使い勝手を良くしようということです。


そしてこちらが廊下の最奥部に該当するホールの間仕切りです。ホールには、来客用のトイレへの扉とパーティールームへの扉が併存します。導線も斜に屈曲させ、パーティールームへの扉を開くと夜景が視界に飛び込むように工夫しました。

従来、トイレは1箇所しかなかったのですが、今回は主人用のトイレをバスルームに追加し、来客用と完全に分離することにしました。つまり、スイートルームの構成に構築し直したということです。


来月に続きます。


デザイナー 小野清一郎 2022年7月1日


高層タワーマンションのリノベーション 6

東京都内の高層タワーマンションの続きです。間仕切りが完了し、建具の取付け等をおこなっていきます。

今回のデザイン上の最大ポイントが、このホールからパーティールームへのアクセスドアです。


マスターバスルームへのアクセス部です。古いマンションではユニットバスの床下配管スペースを確保するため、他の居室より1段床が高くなるケースが多いのです。


そこでこのような工夫をしました。扉の下部を切断し、1段高くなる部分にハメ殺しました。こうすることで扉を閉じている状態では他の部分と床高が揃っているように見えるのです。


来月に続きます。


デザイナー 小野清一郎 2022年8月1日


高層タワーマンションのリノベーション 7

東京都内の高層タワーマンションの報告中ですが、造作もいよいよ後半に入ってきました。こちらは新設したカウンターです。


柱と柱の間のへこんだ空間は全て棚にしました。


寝室の収納扉は全て鏡としました。グリッドはパーティールームと寝室の間仕切り壁と意匠を揃えました。姿見も兼ねた扉ですが、鏡の効果でグンと広く錯覚するようになりました。


来月に続きます。


デザイナー 小野清一郎 2022年9月1日


高層タワーマンションのリノベーション 8

東京都内の高層タワーマンションの最終回です。いよいよ竣工の様子を報告いたします。

まずは、玄関ホールから廊下の様子です。大きく変更したのは、向かって左側にあったバスルームへの入口扉を廃止したことです。入浴のたびにわざわざ廊下を通って玄関ホール前まで経由しなければならないといった不便で不自然な動線を断ち切りました。バスルームへは寝室から直接アクセスできるようになりました。

また、奥の右側の扉はトイレへの扉ですが、今回、バスルームにもオーナー用のトイレを追加したので、こちらのトイレは来客専用となりました。これにより生活動線はさらに利便性が向上しました。

そして向かって左側の扉がパーティールームへの扉になります。


こちらが来客用トイレに新設したヴァニティです。元々はヴァニティがなく、日本特有のトイレタンク上部の給水栓で手洗いするタイプでした。高級感という点では非常に劣るので、ヴァニティを新設しました。


そして、手洗い付タンクが不要になったので、思い切ってタンクレスの便器にしました。さらに高級感がアップしました。パーティーに参加される御来客の皆さんにも高級感が伝わると思います。


ホール向かって左側のパーティルームへ誘う扉は斜に設置しました。こうすることで、扉を開いた時にパーティールームの対角線を視界に展開することができ、奥行きを最大限に発揮することができます。部屋をより広く見せる視覚効果があるのです。


さあ、扉を開いてみましょう・・・。

ほら、御覧のとおり奥行きを最大限に確保することで、部屋はより広く感じられるのです。さらに対角線上の一番奥にお施主様のプレジデント・デスクを置くことで、距離感を最大化しています。エグゼクティブの部屋で私がよく採用する手法です。オーナーが奥行き深く着座することで、権威感をより一層高める演出ができるのです。


お施主様の要望は、いろいろなセミナーも開催したい、とのことでした。そこでテーブルはエクスパンション付きとし、大型モニターも設置しました。


こちらはオリジナルカウンターから眺めた風景です。カウンターはリブ材を採用し、窓辺のバーティカルブラインドと調和するコーディネイトを実施しました。カウンタートップは人造大理石なのですが、テーブルのマーブルとネガティブな色調とし、全体にモノトーンのアクセントとしました。家具や照明器具や空調機械も含め、要所要所でブラックを使うことで引き締め感を効果的に活かしました。


カウンターからブックシェルフを眺めた様子です。カウンター奥のワイングラスホルダーも今回は特注で製作しました。透明感がうまく表現できました。


カウンターの背後には全面開口が可能な建具を設置しました。この奥はマスタースイート(バスルーム付のベッドルーム)になります。

この建具を全面開口するとさらに巨大な空間となります。


私もプレジデント・デスクに座らせていただきました。扉を開けて入室する来客と目が合う位置関係で、エグゼクティブのための部屋では定石的に採用しているレイアウトです。


撮影当日は天候の関係で、窓からの高層ビル群の夜景を収めることができませんでした。私の狙いどおり、まるでマンハッタンのマンションの一室のような風景を実現化できました。お主様にも大変喜んでいただき、空間デザイナー冥利に尽きるお仕事でした。

来月からはビル建設の報告をしたいと思います。


デザイナー 小野清一郎 2022年10月1日


東京都港区の新橋デンタルクリニック様 1

今年も残すところあと2か月となりました。光陰矢の如しと言いますが、矢というより鉄砲玉のような速さで月日が経過しているように感じます。

さて、今月からは新たなプロジェクトの紹介をさせていただきます。現場は、東京都の新橋駅そばにある新橋デンタルクリニック様です。オーナーの金田ゆかり先生が知人の先生から譲り受けた居抜き物件をリニューアルしたいとのことで、弊社へ御依頼をいただきました。

まずは原状から確認していきましょう。こちらは受付のカウンター周囲です。奥が診療室になります。


こちらは待合室になります。


そしてこちらが診療室です。


診療室には年季の入った消毒キャビネットがありました。


こちらは受付のカウンターですが、サンプルなどをディスプレーできるようにしたいとの相談を受けました。


基本的な設計はこのままで、雰囲気を変えたいとの御要望でした。そこで仕上げ材の変更という簡便なリノベーションにて対応することになりました。

来月は竣工の様子をお伝えします。


デザイナー 小野清一郎 2022年11月1日


新橋デンタルクリニック様 2

今年最後のブログは、東京都の新橋駅そばにある新橋デンタルクリニック様の竣工の様子になります。

まずは受付のカウンター周囲の様子です。


カウンター内部に新たに作り込んだショーケースです。物販のサンプル等を陳列することが可能になりました。


こちらは待合室です。床材とクロスの貼り替えと塗装だけですが、雰囲気がガラリと変わります。仕上の醍醐味ですね。


そして診療室は、アクセントとなる花柄のクロスを使い、診療台(歯科用ユニット)のファブリックとベースのクロスを調和させることとしました。グリーン系のベースに対してバーガンディのファブリックなので、補色関係によるコントラスが際立つのですが、この花柄のクロスが両者を溶け込ませる効果を発揮してくれます。


カウンセリングルームにも同じ花柄のクロスを使い、連続性をもたせました。


そしてあの年期の入った消毒キャビネットは整備して再利用し、カウンターとその周囲を新調しました。サックスブルーの品の良い中間色のキャビネットなので、パステル系の色調でまとめ調和を図りました。


今回のケースは居抜き物件のため、工期を極力短縮し、前オーナーから治療を継続されている患者様に御迷惑をおかけしないよう最大限に努めました。工事内容は仕上げ材の変更のみで、造作は一部にとどめましたが、雰囲気をガラリと変える効果を引き出し、オーナー様の御要望にお応えすることができました。

金田ゆかり先生、このたびは御開業、おめでとうございます。女性らしい素敵なクリニックに生まれ変わったとお慶び申し上げます。これから地域医療に貢献され、御活躍されることを楽しみにしております。


デザイナー 小野清一郎 2022年12月1日


横浜市中区の賃貸マンション新築 1

新年、明けましておめでとうございます。
今年は卯年。兎のような跳躍を目指していきたい弊社ですが、早速、4階建のマンション物件の依頼を受注いたしました。

現場は、横浜駅からほど近い閑静な住宅街にあり、こちらが土地の情報です。間口が5.5m、奥行き16.4m、27.83坪の細長い土地になります。


オーナー様の要望は、この土地に4階建で1〜3階を各2ユニットの賃貸住宅とし、ペントハウスの4階はフロアー全体を御自身のセカンドハウスにしたい、ということでした。

賃貸部分は1ルームの独身者向け物件としたいそうで、駅近の利便性から好物件になるではと予感させる立地でした。

なお本物件は、当初、オーナー様が別の設計事務所に設計を依頼され、プランを既に入手しておりましたが、最終的にあまりお気に召さず弊社へ代案を求めて御依頼されたという経緯があります。一体、何がお気に召さなかったのでしょうか。来月はそのオリジナルプランについて検証してみたいと思います。


デザイナー 小野清一郎 2023年1月1日


横浜市中区の賃貸マンション新築 2

横浜駅近くの賃貸マンション物件の続きです。当初、他社が設計したオリジナルプランがこちらです。


このプランでの問題点は「屋外避難通路」にありました。間口が5.5mと、十分に広いとは言えづらい現場ですが、1階にも2ユニットを確保するためには、手前に1ユニット、その奥に1ユニットといった奥行方向の配置を余儀なくされます。そのため奥のユニットのためにはどうしても通路を確保しなければなりません。法規上、屋外避難通路の幅員は1.5m確保しなければなりませんので、建設用地の手前半分は5.5m-1.5m=4.0mの間口で勝負しなければなりません。その結果、建物は旗竿のような形状となってしまったようです。

次の画像は4階のオーナー様の専有部を示したものです。屋外避難通路の空中部分は活用されず、空間に大きな無駄が生じています。結論として十分な居室空間を確保していません。これは2階・3階についても同様です。


さて、どうしたら奥行方向に配置した2ユニットの物件で、土地面積を最大限に活用した空間設計が可能になるのでしょうか?

来月はこの難題に対して私が提案した解決策をお示ししたいと思います。


デザイナー 小野清一郎 2023年2月1日