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買付けツアーのその後 15
先月から引き続き、内装仕上げの様子をお伝えします。
診療室の消毒エリアのキャビネタリーが完成しました。
私はもともとアメリカのキャビネタリーを利用したキッチンの設計が大好きで、全体のバランスやアライメント(配列)にはいつもミリ単位でこだわっています。今回のようなI型のシンプルな設計でも、窓とのアライメントをきっちり詰めて設計していくと、このように凛とした美しさを得ることができます。
そして建築関係者の方々には御理解いただけると思うのですが、キッチンの両サイドにフィラーという帳尻合わせの部材を一切使っていません。当然かなり精度の高い施工が要求されますが、この課題をクリアすれば、このように完璧なアライメントを作り上げることができます。
そして、歯科用の診療台が設置されました。
その他多くの機材や資材が設置され、診療室は完成しました。
こちらは診療室から玄関側を臨んだ風景です。
待合室の壁紙は、私の推奨するコンビネーションを採択していただきました。
弊社をはじめ関係者から、待合室のテレビモニターを新築及び御開業のお祝いとして贈呈させていただきました。
2階の建具も取付が済みました。こちらは収納扉です。
そしてこちらがミニキッチンの入った水場です。
こちらは2階のトイレからカンファレンスルームを眺めた様子です。
最後にスタッフルームの扉を閉めた状態を紹介します。アメリカの扉は、安くても意匠が素晴らしいですね。ドアノブも3,000円程度のものですが、凝ったデザインをしています。私が北米の建材にこだわる理由がここにあります。
来月は、いよいよ外構工事に取り掛かります。
デザイナー 小野清一郎 2018年3月1日
買付けツアーのその後 16
工事も最終局面に入ってきました。今月は外構工事から竣工の様子をお伝えします。
まずは玄関ポーチ部分の枠組みをブロックで構成します。スロープも形づくっていきます。
枠組みが出来上がり、コンクリートを打設します。
コンクリートの硬化後、コラム(ポーチの柱)を固定します。
次に駐車場の輪止めを設置します。
隣地との境界にブロックを敷設して見切ります。
商業施設(医療機関)ですので、看板も大事です。今回は看板のデザインのお仕事も頂戴いたしました。
アメリカの歯科医院のような看板を作って欲しい、との御要望を頂戴しました。お任せください。そのテイストは弊社の最も得意とする領域です。(笑)
というわけでこのような看板をお作りしました。
そして、残りのエリアにはインターロッキングという舗装材を敷き詰めていきます。
敷き詰めが完了しました。
最後の仕上げとして、目地材となる砂を全体にまんべんなく撒きます。
出来上がりました。竣工です。
S先生、御開業、誠におめでとうございます!
すっかり周辺環境に溶け込んだ瀟洒な洋館の歯科医院ですね。地域医療にこれからは思う存分、腕をふるってくださいませ。この度は御用命を賜り、誠にありがとうございました。
デザイナー 小野清一郎 2018年4月1日
トリミングサロンLANA様 1
今月からは店舗の事例をお伝えしようと思います。お施主様はトリミングサロンLANA様です。現場は横浜市鶴見区のテナントです。現状が次の画像です。
今回の現場で非常に面白かったのは、設計に対するお施主様からの付帯条件として、こちらのアンティークの扉を使用して欲しい、との要望が寄せられたことでした。
とってもお洒落で、味わいのあるパネルドアです。真鍮のハンドルがアンティークとしての重厚感を醸し出していて、デザイナーとしてはビビッときました。コンセプトは50年代のアメリカのダイナーでしょうか。来月は工事の様子をお伝えします。
デザイナー 小野清一郎 2018年5月1日
トリミングサロンLANA様 2
先月から引き続き横浜市鶴見区にあるトリミングサロンLANA様の新装工事の報告です。工事が着工しました。
まずはお決まりの解体工事です。水回りは土間のコンクリートも撤去しました。配管からやり直す必要があったからです。
整地をして配管を組み直してからコンクリートを打設しました。
その後にプラットフォームとなる床を張り巡らせます。
外部は軒下となるポーチを設け、奥まった位置に玄関扉を備えた外壁を設置しました。
天井はジプトンという、下地材と仕上げ材が一緒になった材料を貼ります。事務所や店舗等ではお馴染みの材料です。
下地が整いましたので、来月は仕上げ工事の様子を紹介します。
デザイナー 小野清一郎 2018年6月1日
トリミングサロンLANA様 3
横浜市鶴見区にあるトリミングサロンLANA様の新装工事の続きです。
店舗正面の外壁はサックスブルーのサイディングを採用しました。独特な中間色で、日本ではあまり使われませんが、アメリカではよく使われています。
サイディングを貼り上げたらケーシングを取り付けていきます。
外壁が出来上がりました。。
来月は内装の仕上げをお伝えします。
デザイナー 小野清一郎 2018年7月1日
トリミングサロンLANA様 4
横浜市鶴見区にあるトリミングサロンLANA様の新装工事ですが、今月は内装の仕上げです。
壁紙や床材においても、なにも高級品を使わなくても汎用品でアメリカンな雰囲気は演出できます。私は売れ筋から外れた商品群からそういった異国情緒のある部材を探し出す作業が好きで、よくカタログとにらめっこしています。そういった商品は廃盤化することが多いので、苦労も絶えないのですが、完成してみるとやはりアメリカの雰囲気にかなり近づけることができるので、苦労が報われた気がするのです。
今回もそういった建材を選んで導入してみました。内装仕上げの様子がこちらです。
来月はオープンした様子をお披露目します。
デザイナー 小野清一郎 2018年8月1日
トリミングサロンLANA様 5
横浜市鶴見区にあるトリミングサロンLANA様がオープンいたしました。
内装もオーナー様のセンスが光る品々でとても素敵な空間になりました。
御開店、おめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。お客様も日増しに増え、御繁盛されているとのことで、デザイナーとしてもとても喜ばしく感じています。
その後、お店のシャッターボックスに装着する看板のデザインも依頼を頂戴いたしました。来月は看板のお話をしたいと思います。
デザイナー 小野清一郎 2018年9月1日
トリミングサロンLANA様 6
今月は、横浜市鶴見区にあるトリミングサロンLANA様の追加工事のお話です。色調はバーガンディをベースにファサードのドアへのブラウンへ移行する様なグラディエーションを採用しました。
こちらがデザインです。
早速、シャッターボックスへ設置し、工事完了です。
お店がオープンするとこんな様子です。
外壁色から大きく乖離した色で目を引かせ、グラディエーションによって入口ドアへ自然に移行させる手法です。「ぶつかったまま」で終わることなく、うまく納まったと自負しております。
いつもながら周辺環境にも配慮したデザインでまとめました。お店も評判がよろしく、連日賑わっているとのこと。LANA様の今後、益々の御発展をお祈りしております。
デザイナー 小野清一郎 2018年10月1日
氷川台たんぽぽ歯科クリニック様 1
東京都練馬区にある氷川台たんぽぽ歯科クリニック様から新規御開業の設計依頼をお受けしました。現場は氷川台駅そばのテナントビルの1階です。
外観で特徴的なのは、チャコールグレーのシックな外壁色とクォーツ系の石材タイルです。
シャターを開けると両袖開きの自動ドアが設置されていました。
テナント内部は石膏ボード下地まで施工されていました。太い柱が3本も室内中央に配置されています。この柱に留意して上手く設計しないといけません。
来月から工事の模様をお伝えします。
デザイナー 小野清一郎 2018年11月1日
氷川台たんぽぽ歯科クリニック様 2
東京都練馬区にある氷川台たんぽぽ歯科クリニック様の続きです。現場は氷川台駅そばのテナントビルの1階です。
まずは大工さんにサクサクッと廃材利用した机を作ってもらいました。この机に図面を広げて打ち合わせを進めます。
外観で特徴的なクォーツ系の石材タイルをよく観察します。
コーナー部はコーナーピース等の役物を使用せず、ヒラモノをそのまま小口出しで納めています。
幸いなことに新築マンションなので、マンションの建設会社様から材料の情報を提供指定もらいました。そして該当する建材も廃盤になっていませんでした。バッチリ同じ材料を調達することができました。段取りが大事です。
来月に続きます。
デザイナー 小野清一郎 2018年12月1日
氷川台たんぽぽ歯科クリニック様 3
新年、明けましておめでとうございます。今年で平成が終わりますが、新しい元号においても引き続き、御愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
さて、昨年から東京都練馬区にある氷川台たんぽぽ歯科クリニック様の案件をお伝えしていますが、今月は内装工事の様子です。
新築と異なり、ビルのテナント物件では自由に間仕切り壁を設定することができます。設計の自由度が高いので思い切った部屋割りが可能です。各壁の骨組みを組んでいきます。
骨組みができれば、壁の下地となる石膏ボードをどんどん貼っていきます。今回の仕上げは、壁紙になりました。
そして先月お伝えした、このマンションの外壁に使われている石材を内部の太い柱に貼り込むことにしました。非常に目障りな構造物だったのですが、この仕上げにより外部との一体感を得るとともに、逆に内装のアクセントして利用することにしました。
来月はいよいよ仕上げ段階に入ります。
デザイナー 小野清一郎 2019年1月9日
氷川台たんぽぽ歯科クリニック様 4
東京都練馬区にある氷川台たんぽぽ歯科クリニック様の案件をお伝えしていますが、今月と来月で最終段階の仕上げ工程を紹介いたします。
まずは、医局やスタッフルームと呼ばれる、スタッフの方々が使用される部屋の様子です。住宅設備を設置してから壁紙で仕上げた様子です。黄色い壁紙が若々しい職場の雰囲気を演出しています。
患者様用の洗面室です。モダンな設備を設置し、若草色の壁紙で仕上げました。癒される印象ですね。
こちらは、医療器具の滅菌消毒や準備をする場所です。高圧の蒸気が発生する場所なので、対面の壁はタイル仕上げとしました。高級感も演出できました。そしてここで一工夫したのが、先ほどの医局へ通じる扉です。枠や蝶番を排除して、壁と一体化するような仕様にしました。隠し扉のような雰囲気を狙いました。
ここは通路上に設置したユーティリティスペースです。先生がカルテをパソコンに入力したり、医療用の小機械等の管理をしたりするスペースです。機能的でありながら高級感も感じられるものを選択しました。
ユーティリティスペースの対面部にレントゲン室を配しました。間接照明によって柔らかな印象を演出し、一般的なレントゲン室が持つ寒々しい印象を排除しました。
来月は仕上げ工程の後半をお伝えします。
デザイナー 小野清一郎 2019年2月1日