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氷川台たんぽぽ歯科クリニック様 5

今月も東京都練馬区にある氷川台たんぽぽ歯科クリニック様の案件をお伝えします。最終仕上げの続きです。

診療室ごとに壁紙の色を変えました。こちらはピンクの診療室です。

こちらはブルーの診療室。

こちらは受付周囲のカルテ棚です。

そして受付のカウンターにはサンプルを展示するガラストップをはめ込みました。

受付と廊下を眺めるとこのような様子です。

そしてこちらが待合室です。壁には掲示板を設けました。

来月はいよいよオープン直前の様子をお伝えします。


デザイナー 小野清一郎 2019年3月1日


氷川台たんぽぽ歯科クリニック様 6

東京都練馬区にある氷川台たんぽぽ歯科クリニック様の御開業の様子をいよいよお伝えします。まずはピンクの診療室がこちらです。歯科用ユニットと呼ばれる診察台も赤系を選びます。


ピンクの診療室はもう一つあります。同様に仕上げています。


こちらはブルーの診療室です。歯科用ユニットはブルー系になります。2枚目の画像は、受付カウンター前から眺めたものです。


ブルーの部屋はもう一つあり、こちらはカウンセリング室として機能します。

そしてこちらは患者様用洗面室です。治療前後の歯磨き等がしやすいように、空間を広く取りました。

黄色の壁紙を貼ったレントゲン室に機械が入りました。

こちらは院長先生がカルテを入力したり、機材の準備等をするスペースです。

最後に待合室の様子です。モニターを設置し、ソファとマガジンラックを配置します。掲示板には既にたくさんの掲示物が貼ってあります。


阿部祐明院長先生はじめスタッフの皆様、このたびは御開業、誠におめでとうございます。患者様も着々と増えているようで、デザイナーとしても本当に嬉しいかぎりです。心よりお慶び申し上げます。


デザイナー 小野清一郎 2019年4月1日


氷川台たんぽぽ歯科クリニック様 7

いよいよ時代は令和を迎えました。私も初々しい気持ちで新元号を迎えることができました。皆様はいかがでしょうか。

さて東京都練馬区にある氷川台たんぽぽ歯科クリニックが無事に御開業されたことを先月伝えいたしましたが、開業直前に看板製作の御依頼もいただきました。おまけの報告として今月は看板の製作についておしらせします。

お施主様からは柔和なデザインを依頼されました。周辺環境を損なわないような色彩を採用し、このような図案を提示させていただきました。

そのまま採用していただき、現場に照明器具とともに設置工事いたしました。


住宅街なので極度に主張するものは公害化します。かといって控え目過ぎては看板の機能を満たしません。非常に悩みましたが、お施主様には気にっていただきました。患者様も着々と増えているとのことで、一定の効果を生むことができました。


デザイナー 小野清一郎 2019年5月1日


鎌倉の又吉歯科医院様 1

今月から新しい施工例の紹介をさせていただきます。現場は、鎌倉市にある又吉歯科医院様です。

お父様の代に2×4で建築された戸建ての診療所ですが、息子様の代になり増築したいとの御希望でした。

こちらが原状のファサードです。方位は西を向いています。

こちらはファサードを南西方向から写した様子です。

診療室の入口は通常の戸建てに使用する玄関扉を利用しています。お施主様からの要望では、診療所らしい自動ドアに改修したいとのことでした。

そして従業員が出入りする勝手口が、患者様用の扉の左横に配置されています。要望として、この勝手口を建物の北側へ移設したいとのことでした。

こちらがファサードの左側面、すなわち北側の様子です。従業員用の勝手口をこちらへ移設する予定です。

実は今回の増築工事は、オリジナルの建物自体を設計施工された業者様に既に契約されていました。ところが、出来上がってきた図面に違和を感じたお施主様が弊社に御相談にお見えになり、弊社からその設計の問題点をいくつか指摘させていただきました。

その結果、他社様との契約を解除され、弊社と新たに契約されたという複雑な経緯がある現場なのです。

来月から、他社様が提案された工事計画の問題点を掘り下げて解説していきたいと思います。


デザイナー 小野清一郎 2019年6月1日


鎌倉の又吉歯科医院様 2

引き続き、鎌倉市にある又吉歯科医院様の報告です。

この図面は当初、契約された他者様の最終設計案のうち、メインとなるファサード(建物の正面:建築物の顔)です。実際の現地では、ファサードは西側を向いていたので「西面」と呼ぶことにします。図中の赤い矢印は無視していただくとして、皆さんはこの西面についてどのような印象を受けますか?ここは大通りに面する建物の顔ともいうべき面です。しかも、患者さんや来訪者が常に出入りする機能上でもメインとなる重要な構成面です。

こちらはファサードに向かって左側の面です。方角は北に面するので「北面」と呼ぶことにします。

原状では、従業員用の勝手口と患者さん用の玄関が、ファサードに並存していますが、このプランでは、勝手口をこの北面に移設しています。私も、この設計方針は正しい選択だと考えます。

北面に向かって左側の面、つまり東側を向いた面がこちら。「東面」と呼ぶことにします。ちょうどファサードである西面の反対側の面に当たり、建物の裏側ということになります。

そしてこちらが、南側に面する「南面」。ファサードに向かって右側の面に該当します。

さて、読者の皆さんは、このリノベーションのデザイン(設計)について、どのような印象を抱きましたか?

私の設計理念からは、「とてもとてもプロの仕事とは思えない、駄作中の駄作」と糾弾せざるを得ない、最低の代物です。どうしてこのような「落書き」が世の中で横行しているのか、本当に理解に苦しむところです。来月は、この「落書き」の問題点を具体的に指摘していきたいと思います。

なお、私が設計において常々守っている理念があります。それは当ブログのアーカイブでも綴っています。開口部の位置と大きさに関して(その1)(その2)を御参照ください。


デザイナー 小野清一郎 2019年7月1日


鎌倉の又吉歯科医院様 3

鎌倉市にある又吉歯科医院様の報告です。

前月に他社様の設計が杜撰であることをお伝えしましたが、具体的に何が問題なのかを今月は指摘したいと思います。

先ずは西面です。こちらが他社様の設計案です。

この設計案について、私がお施主様へお伝えした問題点は次のとおりです。

A.ファサードへの配慮に欠け、かつ、将来の漏水事故が懸念される屋根収め

B.ファサードの対称性を阻害する新設壁

C.対称性を欠いた屋根収め

D.意匠の審美性を欠いた屋根収め

E.対称性を阻害するように配置された新設壁

F.ファサードの審美性に一切配慮されていない開口部(窓)

そこで私が提案した改善案が、こちらです。

両者を左右に並べて比較してみます。


次に北面です。

この案における私が指摘した問題はこれらです。

A.ファサードへの配慮に欠け、かつ、将来の漏水事故が懸念される屋根収め

B.ファサードの対称性を阻害する新設壁

C.対称性を欠いた屋根収め

D.意匠の審美性を欠いた屋根収め

G.意匠の審美性が劣る開口部

これらに対処する私の修正案がこちらです。

両者を左右に並べて比較しましょう。


東面は建物裏面にあたり、修正はいたしませんでした。

最後は南面ですが、こちらが他社様のプランです。

この設計での問題点がこれです。

H.構造上疑義が生じる開口部

私の修正案です。

両者を並べて比較しましょう。


特にAの問題点は極めて深刻だと考えます。この設計を行った一級建築士の先生を訪ね、「屋根をそのまま突き
つけていますが、どのように接合するのですか」と質問させていただいたところ、「突きつけてシリコンでコーキングする予定です」との回答を得ました。これには驚きました。シリコンの耐久性については、さほど期待できないことが半ば常識なので、当然、直下の居室に漏水することが懸念されます。それについても質問させていただきましたが、言葉を濁され明確な回答は得られませんでした。

木造住宅にとって水は大敵です。雨仕舞いについて配慮に欠けた杜撰な設計がなされたことには、本当に驚きました。

来月は室内設計の問題について言及していこうと思います。問題だらけのケースでした。


デザイナー 小野清一郎 2019年8月1日


鎌倉の又吉歯科医院様 4

引き続き、鎌倉市にある又吉歯科医院様の報告です。

先月は立面図の問題点を挙げましたが、今月は間取りを平面図から検証してみましょう。問題のある他社さんの計画がこちらです。

この設計案について、私がお施主様へお伝えした問題点は次のとおりです。図中に示すとおり、黒線は既存の壁です。灰色線が撤去される壁で赤い線が新設される線です。

そこでお施主様には、この設計について私が問題だと感じた箇所を抽出し、丸印で示しました。それがこちらです。

とにかく醜悪な設計であることに間違いはありません。待合室の中に、それも極めて中途半端な位置に一本の柱が存在したり(#5)、目障りなだけでなく狭すぎる通路(#3)、無駄に出っ張り、邪魔としか言いようのない壁(#2)などなど、醜悪なだけでなく著しく機能性を阻害する要素がてんこ盛りという印象でした。

そこで私から提案させていただいた修正案がこちらです。黄色の線は却下すべき壁で、その代わりに新設すべき壁を青い線で示しています。構造的な検証も当然、行なった上での設計です。なお、図面には910mmピットのグリッドを施しています。これは材料費の無駄を極力排除し、工事費を低く抑えるための工夫を常に心掛けているからです。

上図をもとに最終案を清書したのがこちらです。

両者を改めて比較してみましょう。


無駄な出っ張りや引っ込み、邪魔な柱や壁、こういったものがそもそも設計に盛り込まれてしまうことが、正直、私には理解に苦しむところです。プロとしてこのような設計士や工務店が存在することに、この国の建築業界のレベルの低さを改めて痛感した事例となりました。

来月からは工事の様子をお伝えしたいと思います。


デザイナー 小野清一郎 2019年9月1日


鎌倉の又吉歯科医院様 5

いよいよ鎌倉市にある又吉歯科医院様の現場報告です。一気に紹介します。こちらが工事前のファサードの様子です。

そしてこちらが工事後です。開口部のアライメントがすっきりしていることがわかります。

こちらは工事前の南西方向からの眺めです。

こちらが工事後の様子。

仕上げでこだわったのは、サイディングの選択です。サイディングは敢えてオリジナルのものとまったく異なる色とテクスチャーのものを選ぶました。

御覧のように増築部分をデザインのアクセントにしたのです。こうすることで、増築特有のとってつけた感を消すことができます。


デザイナー 小野清一郎 2019年10月1日


鎌倉の又吉歯科医院様 6

鎌倉市の又吉歯科医院様の続きです。一気に紹介します。こちらが工事前の待合室です。

上の画像の位置に受付を移動させました。こちらが竣工後の様子です。

工事前の受付の位置と様子です。

北米建材を使用して高級感を演出しました。

トイレも北米建材を使用しました。

北米建材と家具としての鏡を導入することで高級感が増しました。

内装には随所に弊社が得意とする北米系の建材を採用しました。ちょっとしたことですが、非常に高級感が創り出されます。


デザイナー 小野清一郎 2019年11月1日


平成から令和へ

今年は、元号が平成から令和へ移行しました。いろいろなことがあった一年ですが、私には改元と消費増税の関係が気になった年になりました。

消費税(3%)が我が国に最初に施行されたのは、1989年平成元年の4月でした。その前年の12月に消費税法が成立し、翌月に昭和天皇が崩御されたので、改元と同年に導入することを見据えた法整備だったのではないかと邪推したくなるような絶妙なタイミングでした。改元のお祭り気分が、増税の嫌気をある程度癒す効果があったことは間違いないと思います。国民は新しい時代に希望と期待を抱いていたのではないでしょうか。

政府はその8年後の1997年(平成9年)に、5%へ増税。さらにその15年後の2014年(平成26年)に、8%へ増税。この15年間には消費税をめぐり、増税しないことを公約した民主党への政権交代がありました。その後民主党は、参院選の直前に10%へ増税することへシフトしたことが原因で大敗し、再び自民党への政権交代が起こりました。

そして2014年から5年後の今年、10%へと移行しました。導入からちょうど30年をかけて10%にたどり着いたことになりますが、国の試算では20%程度まで上げないと財政の健全化が図れない、といわれています。あと10%上げたい政府としては、現在の天皇陛下から秋篠宮へバトンタッチする時が最大のチャンスとして身構えているのかもしれません。そんなことを想起している令和元年の師走です。皆様も良い年をお迎えくださいませ。

 


デザイナー 小野清一郎 2019年12月1日


謹賀新年

新年、明けましておめでとうございます。令和2年、2020年の幕開けです。今年はなんといっても東京オリンピックの年であることが最大のニュースではないでしょうか。

建築デザイナーとして今回の東京オリンピックについて考えるとき、やはり新国立競技場のデザインに関する混迷に注目せずにはいられません。

最初のコンペを経て採用されたのは、、イギリス人デザイナーのザハ・ハディド氏の作品でした。

引用:www.jpnsport.go.jp

この作品の意匠は、極めて未来的でかつ有機的な曲線が特徴的なSF映画さながらの作品でした。ガウディの影響も感じられる興味深いものでしたが、やはり建築費が膨大すぎて現実的ではないことが判明しました。

その後、隈研吾氏の案が採用され、昨年、無事に竣工しました。

引用:https://www.sankei.com/photo/

こちらのデザインは、奇を衒ったこともなく、非常にシンプルで無難なものとなりました。ただ、この建築物にも興味深いスキャンダルが潜んでいました。それは、日本的なエッセンスをフィーチャーするために木材を多用したことが仇となり、オリンピックの象徴である聖火台が消防法上設置できないことが判明したのです。なんとも理解に苦しむ設計計画ですが、今後は聖火台がどこに設置されるのか、楽しみに待つしかありません。

さて、最初にデザインが採用されたザハ氏ですが、新しい国立競技場を見る機会を得ることもなく2016年にお亡くなりになりました。一旦は自分の案が採用されたにもかかわらず、その後却下され、結局採用された代案が聖火台を設置できない代物だったことについて、彼女は一体どんな印象を抱いていたのだろうか、私には興味がつきません。そんな別の視点からもオリンピックから目が離せない2020年になりそうです。みなさまにも幸多い年となることをお祈りしております。


デザイナー 小野清一郎 2020年1月1日


最近の建築業界

早いもので令和2年はもう1ヶ月が経過いたしました。昨年から今年にかけての建築業界について本日はお伝えしたいと思います。

昨年は未曾有の台風被害が関東を襲いましたが、現在もその復旧工事に業界全体が対応している状況です。これに東京オリンピックの準備のための工事関係も重なり、現在は人手不足が深刻な状況です。末端の職人レベルですと、今年の春まで台風の復旧工事の予定が入っているような状況で、新規の仕事には全く着手できないとのことです。

また私どもの得意とする輸入建築においても、米国と中国の貿易摩擦の影響、さらには現在、世界中に波及しつつある新型コロナウイルスの影響とで、建材の生産と流通がすっかり滞っている状況です。お施主様方には大変御迷惑をお掛けいたしますが、何卒、御容赦くださいますようお願い申し上げる次第です。

そんな先行き不透明な状況ではありますが、弊社としては昨年同様、粛々と業務を遂行して参る所存です。そして、昨年お手伝いした物件のお施主様から、大変喜ばしい御報告をいくつか拝受いたしましたので、来月からはその内容を御披露したいと思います。


デザイナー 小野清一郎 2020年2月1日